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ロスカットシミュレーションは、FX取引を始める前に自分の資金とリスク許容度を照らし合わせるために欠かせない作業です。ただし、FXはレバレッジを利用するため、相場変動により元本を割り込むことがあり、急変時等にはロスカットが予定どおり機能せず、証拠金を超える損失が生じる場合があります。シミュレーション結果は実際の損失額や約定を保証しません。取引画面を開く前に「もし相場が逆行したら、いくらの損失になるのか」を計算しておくことで、後になって慌てたり、判断を誤ったりすることが減ると考えるのです。
ロスカットシミュレーションとは、何を計算することなのか

ロスカットシミュレーションというのは、FX業者が強制的に決済する「ロスカット」が実行される前に、あらかじめ「自分の資金だとどのレート変動で危機的状況になるのか」を試算することを指しております。
例えば、100万円の資金で1ロット(本記事では便宜上10万通貨として例示しますが、実際の取引単位は業者・口座ごとに異なりますので確認してください)のドル円ポジションを持った場合を考えてみます。ドル円が150円で買ったとして、もし140円まで下がった場合、その時点での含み損がいくらになるのか、そして証拠金維持率がどの水準に達しているのかを計算する作業です。FX業者ごとに証拠金維持率の基準が異なりますので、自分が利用する業者の基準を確認した上で試算することが重要です。
自分の資金でいくらの損失まで耐えられるかを知る

ロスカットシミュレーションを通じて気づくことは、想像以上に小さなレート変動でも資金全体に大きな影響を与える可能性があるということです。
仮に50万円の資金で2ロット(20万通貨)のポジションを持っていた場合、ドル円が1円下がると約20万円の為替差損が生じ(スプレッド、手数料、スワップポイント、スリッページ等を除く単純計算)、資金の40%に相当することになります。損失許容額の上限をあらかじめ決める考え方もありますが、適切な割合は資産状況や経験、取引目的によって異なりますので、この例では個々の判断で慎重に検討する必要があると考えるのです。
証拠金維持率と強制決済のラインを理解する

ロスカットがいつ発動するのかは、証拠金維持率という数字で決まります。この数字は業者によって異なり、基準や判定・執行方法は業者や口座種別等により異なるため、利用業者の最新の公式規約・取引説明書を確認することが重要です。
ロスカット水準に達した場合、業者は強制決済を実行しますが、相場の急変や流動性の低下等により執行が遅れ、想定を超える損失や証拠金を超える損失が生じる場合があります。ロスカットは損失額を保証する仕組みではなく、あくまで一定基準に達した際の自動執行メカニズムにすぎないことをご理解ください。例えば、特定の証拠金維持率でロスカット実行という設定であっても、市場環境によっては必ずしもその水準どおりに約定するとは限りません。
実際にシミュレーションしてみるための手順

紙とペン、あるいはスプレッドシートを使って、以下のような項目を書き出すことをお勧めしております。
50万円の資金がある場合、1ロット(本記事では便宜上10万通貨として例示)のドル円を買うという想定をしたとき、①現在のレート(例:150円)、②予定していた利確レート(例:152円)、③最悪の場合の損切りレート(例:148円)、④その損切りレートまで下がった時の損失額(例:約20万円、スプレッド・手数料・スワップポイント・スリッページ等を除く単純計算)、⑤その時点での証拠金維持率(業者の公式計算ツールまたは取引説明書の算式で確認)。これらを整理することで、リスク検討のための参考材料が得られます。ただし、将来の値動きや損失額を保証するものではなく、取引の適否は自身の資産状況・経験・目的等を踏まえて慎重に判断してください。
複数のシナリオを用意しておくことの大切さ

ロスカットシミュレーションは一度やれば終わりではなく、取引ルールを変えるたびに繰り返すことが重要です。また、1つのシナリオだけでなく複数のシナリオを用意しておくことで、相場が予想外に動いた時にも心が落ち着いた状態を保てるようになると思うのです。
例えば、ドル円が1日で3円下がるケース、5円下がるケース、10円下がるケースの3パターンについて、それぞれ自分の資金がどうなるのかを計算しておけば、万が一の時に「あ、ここまでは想定内だ」という冷静さが生まれやすくなります。
業者のロスカット基準は必ず確認してから取引を始める

最後に強調したいのは、どのFX業者を選ぶかによって、ロスカットが実行される基準が大きく異なる可能性があるという点です。
業者によって証拠金維持率の基準や計算方法、必要証拠金率が異なるため、同じ資金で同じポジションサイズを持っていても、実際の取扱いは業者ごとに異なります。取引を開始する前に、自分が利用する業者の公式ホームページで、ロスカットの基準や仕組み、証拠金維持率の計算方法に関する説明を一度は目を通しておくことをお勧めしております。

